妖怪さとり

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　悪いことをしたと思ってるか、ですか？
　やりすぎちゃったなって反省してます。

　え、そんなふうには見えないですか？　
　いえ、反省してますよ、しっかりと。
　ちゃんとその調査の紙に書いてください。反省してるって。

　ふふ。こんな聞き取り、持って帰っても、ふざけてるって思われるでしょうね。
　婦警さんは気持ち悪いのを我慢して、一生懸命に聞いてくれたけど、人の心が読めるなんて口走るおかしな子供の説明なんて、だれも信用しませんよね。

　でも、無駄じゃないですよ、婦警さんが来てくれたことは。
　ちゃんと役に立ってます。

　好きな男の子にケガまでさせて練習したんですけど、明日はやめておきます。また、こんなことを説明しなきゃいけないなんて、こりごりですから。

　人の心はわかっても、自分の心ってわかんないものですね。
　ヒロヤくんのことは好きだったのに、突き飛ばすことで、モヤモヤが吹っ切れました。
　ヤキモチを焼いていたんですね、わたし。

　ヒロヤくんには、きらわれたに違いありません。
　これからは会うこともないでしょうし。
　だからもういいんです。明日はやめにします。大人しくしています。

　え、明日、なにをするつもりだったか、ですか？　
　やだ、もう。婦警さんわかってるくせに。
　その、まさかですよ。
　あの女をホームから突き落とすに決まってるじゃないですか。