妖怪さとり

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　わたし、人の心が読めるんです。
　おまわりさんが今、この女、バカなんじゃないかって思ったことも、もちろんわかりましたよ。

　婦警さんが来るんですね。
　駅の事務室だから、駅員さんにいろいろ聞かれるのかと思ってました。
　そのあとで、強そうな男のおまわりさんに警察に連れていかれるのかなって。

　へえ、ここで話すんですね。
　わたしが小さい子供だから、たとえ犯人だとしても、おびえさせないようにって配慮なんですかあ。

　ね、当たったでしょ、婦警さんの来た理由。
　だってお姉さん、ここはやさしく諭(さと)して、あんなことをしたわけを詳しく説明させようって考えてたじゃないですか。

「諭(さと)す」なんて言葉、わたし知りませんでした。顔色が悪いですよ、大丈夫ですか？

　安心してください。もう、婦警さんの心の中のことは、口には出しませんから。早く切り上げたいんですよね。
　あ、すいません、また心を読んじゃった。気にしないで。
　そんな、汚いものを見るような目をしないでください、気味が悪いでしょうけど。