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それで、その女なんですけど、いつも同じ電車なんですよね。これは言いましたよね。
車両も同じ。
目ざわりなら、わたしが時間を変えるか車両を移ればいいんでしょうけど、そんなことをすると、なんだか負けたような気分になって悔しいんです。
だって、わたしが入りたかった学校に合格してるんですよ。
あんなに背が高くて、認めたくないけど美人の女が可愛らしい制服を着ているのに、地味なわたしが、こんな平凡でつまんない制服なんて不公平です。
それなのに、わたしのほうがいろいろ気を遣うなんて、プライドが許さない。
中一にもなると、そういう気持ちが芽生えるんですよ。
あ、こんなことぐらい、少年課の婦警さんなら知ってますよね、すいません。
うっとうしくて、鼻につくんですけど、そのチャラい女が、わたしは気になって気になって仕方がなかったんです。
なにを考えているのか知りたくて、いつもそばにいました。
男子がどんなことをすれば胸を躍らせるかを知るには、絶好の観察対象なんです。
だから、あの女とはいっしょの車両だったんです。
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