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「!!大変美味しゅうございます」
お気に召したらしい。私も同じ物を生み出して飲み始める。冒険者達は1階層をしらみつぶしにかかった様で、途中に下層に続く階段を見つけても無視していた。全部の宝箱を探し当て、冒険者達はホクホク顔で帰って行った。2階層行かないのか。
「後続はいないようですね。倒されたモンスターと宝箱の補充をされますか?」
「そだねー。あ、宝箱の数を増やす事は?」
「可能です。但し、宝箱の数は侵入した冒険者の数を超える事は出来ません。侵入する冒険者が増えた際に自動でランダム配置されます」
「便利だね。中身は炭酸飲料のままにしておこう。人気になりそうだし」
結果、大人気でした。数日後、数十人規模で冒険者達が殺到し始めた。我先にと宝箱を探し当てては間に合わなかったパーティーが悔しがっていた。罠を警戒すらしていないよ。宝箱を見つけられなかった他の冒険者達は2階層に降りるようになった。
「いやー、スライムを配置してから気づいたけど、強さ的にはゴブリンの方が強かったんだねー。ままぁ、天井に張り付いて不意打ちをするから油断してるとスライムの方が厄介みたいだねー」
2階層はスライムてんこ盛り、地面よりも天井を徘徊しているスライムが多かったりする。おお、初めて冒険者達を撃退してる所見れたよ。武器を落とし、荷物を置き去りにして這々の体で逃げる冒険者達、宝箱に冒険者達が落としたアイテムが次々と保管されて行った。
因みに2階層の宝箱に入れてある飲料水は美味しい水とカルピス原液とカルピスウォーターの三種。原液を手に入れた人はお好みの薄さに出来るのだが、美味しい水を手に入れた人は若干外れになるだろう。ほんのりレモンの味はするけどね。
しばらく観察していたが、宝箱から美味しい水を手に入れた冒険者もそんなにがっかりしていなかった。むしろ冒険者の落し物が入っていた宝箱がハズレみたいだった。皆んな水が欲しかったのかね?
「んー、男女比が9:1なのは仕方ないにしても、イケメン冒険者が全然居ないのはどうなのさ?」
「顔立ちの良い青年は危険な冒険者にならずとも就職先に困らないからではないかと」
「命の危険がない職業の方が良いに決まっているかぁ」
残念。むさい男達ばかりを見ていた所為でイケメン成分が足りない。勿論ダン君は別腹です。
「イケメン、イケメン・・・そうだ!イケメンモンスターを産み出せば良いんだ!」
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