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「エエッ――。嘘でしょう?プロの味ですよ。見た目もお店で出て来る感じで・・・。あ、ごめんなさい、失礼な言い方してしまって・・・。」
水奈子が興奮気味なのもしょうがない、俺も佑二もケーキ屋よりもうまいと思ったからだ。
「いいんですよ。やあ、実はね。やってみようかと思ってね。喫茶室みたいなものをね・・・。この工房の脇にまた小さな喫茶室を建てて、ギャラリーカフェにしてみようかと思っているんです。それで何か月も研究してね、夫婦の合作みたいなもんです。ケーキも飲み物もね。まあ、ちょっと習いにも行きましたけど・・・。」
「お料理教室ですか?私も行きたくなってきた・・・。」
水奈子が食い気味に言った。
「いや、それが先輩と言うか・・・、ギャラリーカフェを5年やってる人なんだけどね。」
「その人が教えてくれたんですか?このタルトのレシピを・・・。」
佑二が割って入ってきた。
「まあ、全部その人が考えたわけじゃなくて夫婦で考えた物をチェックしてくれた、という事です。その人のカフェのメニューは評判なんですよ。美味しくて・・・。だけどきまぐれで店がいつ開いているかが分からなくてね。不定休なんですよ。2週間位平気で休むんでね。それなのにちゃんと売り上げがあってね・・・。不思議なんですよ。開店時は行列することもあるらしくてね。」
「へえ・・・。俄然興味が湧いてきました。今度連れて行ってくださいよ。」
佑二がナッツタルトを頬張りながら、教授に答えた。
「まあねえ・・・。イチかバチかみたいに出掛けて開いてたらラッキーだった、って感じだから責任はとれないけどね。それで良ければ・・・。」
「是非お願いします。また今日みたいに実家から親の車借りて来ますから、皆で行きましょうよ。」
スウィーツ好きで自分でも作ったりする佑二は乗り気だった。
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