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「ということは、ここに書かれている遺構というのは?」
「ええ、恐らくそうだと思います」
そう力強く頷く諫早だったが、尊には何のことかさっぱり分からない。
「ええと、どういうことなんですか?」
たまりかねた尊がそう尋ねると、海老石はやや呆れたように何かを言おうと口を開いたのだが、それよりやや早く諫早が言った。
「曽木発電所遺構。流石にこの名前は聞いたことがないか?」
ソギハツデンショイコウ。呪文のようにそう呟くと、ある光景が尊の頭に浮かんだ。
「もしかして、夏の間だけしか見れないという遺構ですか?」
「正解」そう短く言うと、海老石の方に向き直った。
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