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私はきっと、永遠を生きるということを、持て余してしまったのだ。
だから、一年前に、虹の雫の摂取を断ち切った。
罪だと分かっていながら、私にはもう永久を生きることはできそうになかった。
確かに言えることは、幾千年と生きてきた日々の中で、迫り来る死を意識して生きたこの一年間が、他のどんな時よりも輝いていたということだ。
明日、私の死体を発見した人々は騒ぎ立てて、泣き狂うのだろう。そして、何故彼女は雫を摂取しなかったのだろうかと根も葉もない噂を立てる。
私の名前は、国中を阿鼻叫喚に引きずり込んだ、この国史上最大の大罪人として、国中に知れ渡るのだ。
でも、私はこの選択を、決して後悔していない。
だって、この一年間、私は、これまでの人生ではじめて生きていた。
私は、生きるために、死ぬのだから。
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