うん

2/2
前へ
/2ページ
次へ
「好きです!付き合って下さい!」 高校2年の夏。 突然 わたしは彼に告白された… 返事はできず 少し時間がほしい と伝えた。 「そんなに時間…いらないか…」 わたしも彼の事が好きだった。 中学生の時から。 だけど…彼はわたしの事を忘れている。 いや 忘れてはいないのかな…わからないのか そりゃ そうか。 ー 翌日。 「確認しても良い?」 「何を?」 「本当にわたしの事が好きですか?」 わたしは彼を呼び出した。 「うん! 好き!!!」 ずっと聞きたかった言葉に涙が溢れてきた…。 「ダメかな?」 「これでもわたしが好きって言える?」 「………ぇ!?」 わたしは彼と写っている写真を見せた。 「お前…」 「うん…そうだよ」 「ぃゃ…だって、全然違う」 「変わりたかったから」 「変わりすぎだろ…」 彼とは小学生からの幼馴染で家が近所だったのもあって、家族同士で仲かが良かった。 でも…彼の母親とうちの父親が不倫をしてしまった。 それから 全てが崩れた…。当たり前だけど。 うちの母は朝から晩まで働いていたので、わたしは祖父母の家に預けられた。 彼の父親は割と早く再婚したが、彼とは合わなかった様で…彼は荒れた。 「また…僕の事 イジめる?」 「ぁ…」 中学に上がってから わたしは自分に対する違和感を感じていた。 普通の事。だけど普通って言われない事。 隠していても 隠すという行動に対する周りの注目を浴びて 彼らのイジめの対象になった…。 幼馴染と言う事もあって 本当に酷い事をされそうに させられそうになった時には 彼が止めてくれていた。 だから わたしは好意を抱いた。 彼のその言動だけが救いだった… 「あれは…その…てゆぅかお前」 「まさか 高校まで一緒になっちゃうとはね…」 「あぁ…」 そして 高校進学の話しをすると同時に家族に打ち明けた。 が 家族はみんな気付いていて、協力的だった。 「また…イジめる?」 「誰かこの事知ってんの?」 「先生達かな…」 「そっか…」 「バラ。す?」 「うん…」 いつかこんな日がくると… 「お前が俺と付き合ってくれたら 俺の彼女はお前ってみんなに言うわ」 「え」 思ってなかった!!! 「付き合ってくれる?」 「うん!!!」 わたしだけのひみつは…彼と二人のひみつになった。
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加