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「好きです!付き合って下さい!」
高校2年の夏。
突然 わたしは彼に告白された…
返事はできず 少し時間がほしい と伝えた。
「そんなに時間…いらないか…」
わたしも彼の事が好きだった。
中学生の時から。
だけど…彼はわたしの事を忘れている。
いや 忘れてはいないのかな…わからないのか
そりゃ そうか。
ー 翌日。
「確認しても良い?」
「何を?」
「本当にわたしの事が好きですか?」
わたしは彼を呼び出した。
「うん! 好き!!!」
ずっと聞きたかった言葉に涙が溢れてきた…。
「ダメかな?」
「これでもわたしが好きって言える?」
「………ぇ!?」
わたしは彼と写っている写真を見せた。
「お前…」
「うん…そうだよ」
「ぃゃ…だって、全然違う」
「変わりたかったから」
「変わりすぎだろ…」
彼とは小学生からの幼馴染で家が近所だったのもあって、家族同士で仲かが良かった。
でも…彼の母親とうちの父親が不倫をしてしまった。
それから 全てが崩れた…。当たり前だけど。
うちの母は朝から晩まで働いていたので、わたしは祖父母の家に預けられた。
彼の父親は割と早く再婚したが、彼とは合わなかった様で…彼は荒れた。
「また…僕の事 イジめる?」
「ぁ…」
中学に上がってから わたしは自分に対する違和感を感じていた。
普通の事。だけど普通って言われない事。
隠していても 隠すという行動に対する周りの注目を浴びて
彼らのイジめの対象になった…。
幼馴染と言う事もあって 本当に酷い事をされそうに させられそうになった時には 彼が止めてくれていた。
だから わたしは好意を抱いた。
彼のその言動だけが救いだった…
「あれは…その…てゆぅかお前」
「まさか 高校まで一緒になっちゃうとはね…」
「あぁ…」
そして 高校進学の話しをすると同時に家族に打ち明けた。
が 家族はみんな気付いていて、協力的だった。
「また…イジめる?」
「誰かこの事知ってんの?」
「先生達かな…」
「そっか…」
「バラ。す?」
「うん…」
いつかこんな日がくると…
「お前が俺と付き合ってくれたら 俺の彼女はお前ってみんなに言うわ」
「え」
思ってなかった!!!
「付き合ってくれる?」
「うん!!!」
わたしだけのひみつは…彼と二人のひみつになった。
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