プロット

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プロット

現生人類には二種類ある。常時仮面をつける者と、そうでない者だ。仮面をつけて生活する者をマスカー(masker)、そうで無い者はあえて呼ぶ事はあまり無いが、言うとしたらフェイス(face)と呼ぶ。マスカー達とフェイス達の外見差は顔があるか無いかである。指紋や静脈認証は利用でき、そうでなくても体型などの情報から個人を特定することができるので、顔が無くても普通に生活していくことはできる。地域差はあるが、人口の全体のうち3割はマスカーであると言われており、マスカーとフェイスの遺伝子ではマスカーの方が劣性なので僅かに減少傾向を示している。多数派はフェイスなので、フェイスの生活に合わせてマスカー達が仮面をつけて生活しているといえる。種としては二分されるが、マスカーだけれども仮面をつけないで過ごす者もいるし、フェイスだけれども仮面をつけて過ごす者もいる。前者の数は少なく、決まった閉鎖的コミュニティの中で過ごしているが、後者はマスカーにとって不愉快な存在である。仮面をつけている=マスカーという図式が一般的なため、何か仮面を被って犯罪が行われた場合、真っ先にマスカーが疑われてしまうからだ。そのため、マスカー達は自衛手段として、そしてフェイス達からの要請もあり、16歳になったらマスカーは日用の仮面を役所に届け出ることが義務付けられている。届けられた仮面には個体識別番号が顎のラインに付与される。この番号でマスカー達は顔認証システムを使うことができるようになるメリットがある。
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