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眠れない夜も 泥の様に眠る夜も 日々 無価値に過ぎ去る時も 息をするだけの日々も 想う事を止めて 感じる事も止めて 全てを遮断していたのに 覚めない夢のような 水の膜に包まれた 現実感の薄い日常を過ごして 無感になれば いつか痛みすら忘れ去れると なんの感情も消えたと思っていたのに ふとした折にフラッシュバックする記憶が 生々しいまでの感情が 苦しい程に重くて 稀に見る夢の中で 貴方が笑って これまでが嘘だった喜びを 噛み締めて抱き締めて 目が覚めて 夢から引き戻された事も 目を覚ましてしまった事も 目を開いた先に貴方が居ない事も 貴方が亡くなった事も 覚醒した頭に 理解が追い付き 全てを思い出しただけで 何故こんなに揺さぶられるのか 想う事を止めれば この胸の詰まるような 重い塊を呑んだ様な 灼ける様な感情すら消えると思ったのに 貴方を少し想うだけで 溢れ出る気持ちも 止めどなく流れ出る涙も ありありと存在する事を伝え この身を焼き焦がす 二度と迎える事のない 当たり前の日常に 貴方が居なくなった時のまま 残された物に触れずにいて 時は貴方が亡くなった頃から進む事を止めた まるで覚める事を知らない 夢の中に囚われた様で 果てしなく続く曖昧な夢の様で 貴方が笑う夢が 現実であれば良いと 貴方の居ない日々が 夢であれば良いと 目覚める度に幾度と願う 嗚呼どうか 叶うのなら この夢よ覚めて 嘘だったと笑って下さい
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