彼と彼女の海は憂鬱

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**Girl’s Side** 「ユカリは十分痩せてるじゃん。」  ミカが言った。弱めのクーラーが心地よい教室。昼休み。 「ミカに言われても自身無くすだけだって。」  女の目で見てもミカは魅力的な体型をしている。しかも、顔も性格も良いものだから、男女共に人気があるのも頷ける。  ユカリは時々思う――幼馴染でなかったら、こんなに気軽に話なんてできなかったかもしれないな――と。 「ユカリは自分を過小評価しすぎなのよ。」 「またそれ?だから、ミカに言われてもねえ。」 「私?私のことは気にしなくていいわよ。なんてったって完璧美少女ですもの。おーほっほっほっ」 「自分で言う?」  二人は笑った。平穏で気楽な夏も悪くないと思った。
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