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天国の楽園
空を突き刺すように立ち並ぶビル。
その中で一段高く聳え立つ超高層ビルがある。
言葉に言い表せない高さ、下から最上階を見上げれば首を痛めること間違いなしのビルだ。
高層ビルにつきもののビル風…時折、台風並みの突風がビル周辺に突然起こる。 しかし、この超巨大高層ビルの周辺には、その突風はほとんど見られない。
この巨大建造物には各階の壁際に扇風機を横にして取り付けたようなものが無数にせり出している。一つ一つの羽根が風を受けて勢い良く回っている。巨大なビルに比べればその扇風機様の装置はは小さく見えるが、大きさにして二メートル四方の枠内に四つの羽根が取り付けてある代物だ。一片の羽根の長さだけでも子供の背丈ほどある。
四角い頑丈な枠は、それぞれ好き勝手な方向に向きを変えている。向きを変えると言っても、枠と壁を繋ぐ支柱が回転するだけの装置が付いてるのみ。
コンピューター制御で風の流れの変化を微調整しながら、羽根の回転の速さを変えている。
勢いよく回る羽根が風のエネルギーを吸収し、地上へ向かう風の勢いをなくすシステムだ。
そして、その吸収されたエネルギーはこのビルの発電に置き換わる。
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