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「駄目だろ。あんまり溜めると締め出されちゃうぞ」
大袈裟に目を剥く青山くんと並んで外を歩きながら、わたしは肩身狭く身体を縮めた。
「だって。わたし実は、奨学金もあって。返済とか」
ぼそぼそと情けない声で打ち明ける。
「四人きょうだいの真ん中だし。弟たちは歳も離れてるからまだ学費がかかるってわかってたから、奨学金制度使うしかなくて。自分でちゃんと返済するって言い張って東京に出てきたから。…無利子のが受けられなかったから、結局有利子で。あれって、滞納するとあとが大変なんでしょ?自己破産とか差し押さえとか」
借りてからそういうニュースをいろいろ見たから。なんだか滞納するのが怖くて他のことより優先して返済してた、ってのが実際のところだ。
「その点、賃貸の部屋は居住権とかあるから。数ヶ月くらいじゃまだ、いきなり追い出されはしないかな、と…」
「いやそれも程度問題だよ。管理会社と大家の考え方次第だろ。急に部屋の鍵取り替えられたりしたらどうすんだ?それでも自分には住む権利あるって裁判所に申し立てる?なかなかそんなことできないだろ、結局は泣き寝入りするしかないよ。奨学金は一旦置いて、まず家賃払った方がいいぞ。まとまった金なんとかなりそう?実家に借りるとかは?」
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