ばーちゃんこ

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久々に中学時代の友達と会い、凝りもせずに学校をサボって皆で街をフラフラしていたところ、高校生になって初めて警察に補導されてしまいました。その場の注意だけで親や学校に通達がいくこともなく、警察が去ってから場所を変えて深夜まで遊び、家に帰ってきました。私はシャワーを浴び、眠りに就きました。祖母が夢に出てこないことを願いつつ。 ……そこには、ただただ不気味で赤黒い空間が広がっていて、どこにも祖母の姿はなく、もはや、それがあの真っ白だった空間かどうかもわかりません。私は空間に向かって言い放ちます。 「ばーちゃん、俺、良い子にして頑張ってるよ。」 しばらく待っても、何も起きない。 「ばーちゃん、俺、良い子にして頑張ってるよ。」 目を覚ますきっかけを探すように、もう一度、言いました……その時です。 ーーウソツキ!ウソツキ!ウソツキ! ウソツキ! ウソツキ! ウソツキ! ウソツキ! ウソツキ! ウソツキ!ウソツキ! ウソツキ! ウソツキ!ウソツキ! ウソツキ! ウソツキ!ウソツキ!ウソツキ!ウソツキ! ウソツキ!ーー 突然、空間全体にこだまする低く悍ましい声。実際の声とはかけ離れていますが、それが祖母の声であることが直感でわかりました。恐怖のあまり目を覚ますと…… そこには、仰向けで寝ている私の顔を見下ろしながらゆらゆら揺れている無表情の祖母が立って居ました。私は金縛りにあい、まったく身動きが取れません。 次の瞬間、ほんの一瞬だけ微笑んだ祖母の顔がみるみる夢で見た鬼の形相に変わり、とてつもない力で私の首を絞め始めました。 “ウソツキめ” “息子を苦しめるな” 祖母はひたすらこう繰り返しながら、私の首に回した手の力をどんどん強めます。息が出来なくなり、気を失ってしまいそうになったタイミングで、また目を覚ましました。 ……今のも夢……? 慌てて電気をつけ、鏡を見てみると、私の首は鬱血し、見事に手形が残っていました。 “息子を苦しめるな” 確かに祖母はこう言いました。父方の祖母は、孫の素行のせいで自分の息子である私の父親が今後何かしらの苦境に立たされるかもしれないと危惧していたのかもしれません。 この日を境に学校をサボることはなくなり、祖母が夢に現れることもなくなりました。私は夜間高校を卒業し、就職。現在は福岡市内の某工場に勤めています。
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