ばーちゃんこ

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「花火なんてどう?」 提案したのは私でした。家の近所のホームセンターが既に花火を販売し始めていたのを思い出したのです。 「いいねぇ!」 「それ最高!」 「決定!」 「よっしゃ!じゃあ海行こうや!」 学校からさほど離れていない大型スーパーで花火を買い込んで、最も近い海に向かいました。 40分ほど車に揺られ海に着いた頃、もうすっかり日は暮れていて、私達はすぐにビーチで花火を始めました。そこからはもう、とにかく大騒ぎ。 皆、ヤンチャ盛りなので、発射寸前のロケット花火を思いっきり投げて四方八方に飛ばしたり、こんもり置いた大量の花火にまとめて火をつけたりと、途中から悪ノリが止まらない。 そうこうしてるうちに案の定通報されたらしく、パトカーがやってきました。そもそも、そのビーチは花火厳禁。うるさいし危ないし、通報されて当然です。 「やべっ!皆早く俺の車に乗れっ!」 私達は何もかもをビーチに放置したまま、急いで友達の車に乗り込みました。幸い、車の持ち主がその辺りに土地勘のある走り屋だったこともあり、難なくパトカーから逃げ切って、今度はその足でカラオケへ。何事もなかったように3時間程盛り上がってから、全員、家まで車で送ってもらいました。 玄関を開けると私の家族は既に寝入っていて、ザッくとシャワーだけ浴びてそそくさと二階へ上がり、部屋のベッドに潜ってすぐに目を閉じました。 ……その日、なぜか夢に亡くなった祖母が出てきたのです。 真っ白い空間に祖母が立っていて、微笑みながら「学校はどうかね?良い子にしてるかね?」と優しく問いかけてきます。 私は「ばーちゃん、俺、良い子にして頑張ってるよ。」と返事をする。 それだけの夢です。 次の日も全く同じ夢を見ました。 真っ白い空間で祖母が微笑みながら「学校はどうかね。良い子にしてるかね?」と問いかけてくる。私は「ばーちゃん、俺、良い子にして頑張ってるよ。」と返す。 それから連日、夢の中で祖母と私は同じやり取りをしました。
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