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皇太后さまは藤壺の中宮さまだった方なので、ここのやり方は登華殿におられた皇后さまにお仕えした清少納言さま式ではないんだろうけど、ちょっとは楽しくやろうかと思えるようになった。
自慢するけど美女の誉高い母上と私は生き写しだって言われてるのよ。それは自慢だけど、ここ皇太后の宮では足を引っ張るの。ご姉妹の枇杷殿のお妃さまのところに出仕したほうがよかったかしら。
小馬命婦さまは、「こまやかさん」の「こま」を冗談めいてつけたらしく、ちっとも清少納言さまの名前に由来しない女房名をいただいておられる。賢子ちゃんも紫式部さまではなくて、紫式部さまのお父さまに由来する「越後弁」という女房名をいただいた。匡子ちゃんも「江侍従」というお父さま由来の女房名をいただいたというお話よ。
それなのに私ときたら!
「小式部」ですよ。「小式部」!
ちっちゃい和泉式部ですってよ!
綾子は和泉式部そっくりなんだからって、皇太后さまぁ!あんまりじゃございませんか。
さらにいろんな公達が私の顔を見ようとするわ、文をよこして来るわする。ほんっと、嫌になる!
鏡を見ろよ、鏡を。お前は光の君かよ。
光るの君の腰巾着の惟光がいいところじゃないか。
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