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女房たちの中では、これまた私がいただく文が多いので、先輩がたに微妙に白い目で見られてるのもやりにくい。でも同じく言ってやるわ。
鏡を見ろよ、鏡を。
お前は若紫かよ。花散里でもない。末摘花じゃないか。
中身を見ることもなく文の山を曹司にほったらかしにしていたら、同じ曹司の賢子ちゃんに取られて母のところに持って行かれた。
「あら。この人は昔ね、」って、どいつもこいつも母のお古なの!
私の光の君はどこにおられるのかしら。
もちろん、母のお古じゃない人も一人二人文をくださった。しかし、左大臣さまの息子の一人、権中納言の教通の君はちょっと良いなって思うと言ったら、母がふざけて返歌を返したから、さあ大変。
それ以来、私がどれだけ一生懸命和歌を作ろうが、「母上が作ったのだろう」と言われるんだから頭にくる。
それこそ終末、この世の終わりじゃないの。
それが幸いなことに、浮名を流しに流した母も、左大臣のおすすめ物件の、前の大和守と再婚して、前の大和守は今度丹後守になったので丹後に行くことにした。
「大和ならまだしも、丹後よ?でも、丹後なら都からもそう遠くはないんだし。歌枕でも見てくる」
そう言って、丹後に旅立って行った。
ああ、せいせいする!
帰ってこなくったって良いのよ。
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