3人が本棚に入れています
本棚に追加
「思えば
しょっぱい人生だったな
取引先で大きなミス犯して
何年も勤めてた会社に見限られて」
僕は一度踏切を渡り
踏切の向こう側にあるコンビニで
唐揚げと水を買って外に出る
コンビニの向かいには公園
通勤中毎日前を通っていた見慣れた公園
ぞうの滑り台
柵のついた砂場
塗装の剥げたブランコ
オモチャ色の遊具たち
そして正確に時を刻む時計塔
0時2分
規則的に動く針を睨み僕はまた
踏切を渡る
唐揚げをむしゃむしゃ食べながら
ペットボトルの蓋を開ける
少しだけ蓋を開ける手が震えていた
「…いまさら
何をびびってんだよ。
もう、僕には何も残ってないだろ。」
自分に言い聞かせながら
両手の指同士を絡めたり揉み手をして
震えを落ち着かせる
最初のコメントを投稿しよう!