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「君はカブトムシ捕まえてきたんだ。僕のカブトムシに勝てるかなあ?」
ここはどこだ?
炎天下の公園のベンチに俺を置いて?
ん?
俺の向かい側に・・・
見知らぬ図体の逞しいカブトムシが。
「やあ、こんにちわ。ミーは『ヘラクレスオオカブト』でーす!!」
ヘラクレスオオカブトぉぉぉぉーーーーーーー!!
「さあーて、ジャパニーズカブトムシさんや、このミーに勝てるかなあ?」
・・・て何だよ?まさか?!
「バトル!!スタート!!」
ちょ・・・ちょっと待った!!こいつと戦えってのかよ!!
どうみても俺、不利なんですけど?!
がっし!がっし!がっし!がっし!
がしゃっ!!
やば!!ヘラクレスオオカブトの方からやって来て、角を俺の角に絡ませてきた!!
どうするどうするどうするどうするどうするどうするどうする?!
ええいっ!!もうやけだ!!
投げ飛ばしちゃえ?
あれ?
どうやっても動かん!!強い・・・!!圧倒的・・・ヘラクレスオオカブト!!
ぶおん!!
うわーーーーーーっ!!
俺は投げ飛ばされた。
ちょっと待った!!
これって・・・チャンスか?!
投げ飛ばされているこの反動で・・・飛んじゃえば・・・?!
とっさに俺は羽根を拡げた。
ぶおん!!ぶうぅぅ~~~~~ん!!
いぇーーーーーい!!自由への脱走成功!!
「うわぁーーーー!!敵前逃亡かよーーー!!待ってぇーーー!!僕の『プトン』!!」
人間の子供ー!!せっかく捕まえたのにすまんな!!じゃあな!!俺は束縛されるのが嫌でな!!
ぶお~~~~~~~~ん!!
俺は途方に暮れる人間の子供と、ヘラクレスオオカブトを抱えて大笑いする相手の人間の子供を眼下に見下ろしながら、元居た雑木林へ飛んでいった。
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