扇風機

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「あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”つ”い”~”~”~”」  五枚羽の回転が生み出す微涼風に顔を近づけ、濁りの生まれた声を楽しむ。  外は目が眩むほどの青空で、肌にじっとりと汗が滲む暑さが揺蕩っている。  手に持つスポーツドリンクも、その水滴をボトルいっぱいに垂らして暑さを謡う。 「な”つ”た”な”ぁ”……」  何の変哲も無い午後の日常。  夏は始まったばかりだ。
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