『白樹《はくじゅ》の夢』

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仕事場に着けば同僚や後輩から心配されてしまった。 「大丈夫よ、これくらいなんとも無いわ。」 そう強がって仕事を始めた。 もちろん、商談に行く前は、化粧で顔色は良く見せてから行った。 そして上手くいってお昼頃に会社に戻れば、動くのが怠くて外や友達のいる部署まで行く事もせず、席でお弁当を食べていたら、噂好きの後輩が私の同僚や後輩を何人か集めて楽しそうに話してるのが聞こえてきた。 「先輩達知ってます?『白樹の夢』っていう都市伝説??」 夏だからか話題はホラーみたいだ。 いつもなら聞かないのだが、何と無く気になったのもあり、身体の痛みを紛らわす為にも聞き耳を立てた。 「何それ?」と聞く同僚達にその子は答えた。 「真っ白な空間に逆さまの大樹がある夢を見るとヤバいらしいですよ??」 ドキッとした。まさしく私が今見続けている『良い事予知夢』の事だとしか思えなかったからだ。 ヤバい…?何がどんな風にヤバいの? 話の続きが気になる…! 「なーに?その話、私も気になるなぁ。」 だからさり気無く話の輪に混ざってみた。
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