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「あ、気になります?気になります?」
嬉しそうにそう言えば得意げにしながら教えてくれた。
「なんと、『白樹の夢』はですね、悪魔が見せているものらしいんですよ…??
つまり、悪魔が取り憑いている証拠なんです!」
意味が分からなかった。
だってその『白樹の夢』は、見ると良い事がある『良い事予知夢』なのだ。
もし、本当だとして、何で悪魔がそんな夢を…?
「何それ、怖いね~」なんて言ってる皆の中で1人首を傾げる私を見てその子はまた得意げに話し始めた。
「実は、悪魔は人が眠っている間に生気を吸っていて、その吸ってる時に人に見せる夢が『白樹の夢』らしいんですよ!」
納得した。してしまった。
見た日の体調が少し悪くなったり、見続けると今現在のようにどんどん体調が悪化するのはそのせいだったのか。
でも、まだ疑問は残っている。良い事が起きるってところだ。
そう思ってたら教えてくれた。
「そしてですね、悪魔は生気を取る代わりに“運”をくれるらしいんです!」
悪魔は優しいのか優しく無いのか分からない。
そう呑気な事を思っていた。
次の発言を聞くこの時までは。
「まだ、続きがあるんです。生気は3日あれば人は回復する程度しか吸わないらしいんです。
だから1日見る分には少し体調が悪くなる程度で運がもらえるので、逆にラッキーなんですが…。
1つ怖いのが、一週間続けて見ると、死んでしまう、らしいんですよ…。」
死ん、で…?
一気に血の気が引いてクラクラした。
青くなった私の顔を見たその子は全てを察したらしい。
「以上ですっ、怖いでしょう?」
なんて言って他の人を席に戻した。
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