白樹の夢 （ホラー）

『白樹《はくじゅ》の夢』

見なければ良いのなら、寝なきゃ良いんじゃないか。
買い物に出かけ、思い付く限りの眠気を取る商品を買った。
カフェインのコーヒーや、冷たさで眠れないんじゃないかと熱冷まシート、よく受験生が飲む眠気覚ましのドリンクを何本か。
家に帰ると早速コーヒーを飲んだ。
夕方になればご飯を食べた。
お風呂に入ると眼が覚める体質なので、お風呂は眠くなってきた夜に入った。
それでも眠くなればドリンクを飲む。
熱冷まシートも貼った。
強い炭酸や辛い物を飲食して刺激で目を覚ます。
それがずっと続く。
1分が恐ろしく長く感じた。
1時間が半日のようにも思えた。
そんな戦いだった。