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二人、もしくは……
スマホの進化は著しく、昨今の人工知能は何でも答えてくれる時代になりました。
スマホに向かって呼びかけると、大抵のことは教えてくれますね。
スマホに内蔵された人工知能は、ものしりからとってmonoと呼ばれていました。
時に幸恵という女子高生がいました。
幸恵は普通のどこにでもいる普通の女の子でした。
「ねぇ、幸恵。monoに凄い機能があるんだって、知ってる?」
休み時間、クラスメイトの由奈が幸恵に話しかけました。由奈は噂好きのところがあって、面白い情報があるとすぐに幸恵に話してくれました。
「なになに。教えてよ」
幸恵も嫌いじゃないので、由奈の話には食いつきが早く、いつも二人は楽しげです。
「スマホのカメラの機能にはね、顔認識システムってのがあってね。笑顔を認識するとシャッターが押される機能とかあるんだけどね」
「うん」
それは知ってると思いながらも幸恵は頷きました。
「それでね、深夜の二時にね、自分の部屋でmonoに向かって、『二人映ったら写真を撮って』ってお願いするの。そうして自分に外側のカメラを向けたまま、部屋の中で歩き廻るの。するとね……」
「ああ……」
なるほど。話しが読めた。
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