二人、もしくは……

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幸恵は思いました。 そこでシャッターが押されたら幽霊がいるということか。 由奈は続けます。 「すると突然、カシャってシャッター音がなる時があって、写真が撮れてるんだって」 「やっぱり」 思った通りでした。 「すごくない? これ実際、(アカネ)も体験したらしいよ」 由奈は興奮気味に言いました。 「うん、すごい。……で、その写真には幽霊が写っていたの?」 そこが一番気になるところでした。 幸恵が訊くと、しかし、 「んにゃ。茜一人が写ってたんだって」 拍子抜けする答えでした。 「なあんだ。つまんないの」 それだと壁のシミが、目や鼻として検知されただけではないのか。 幽霊が一緒に写っていたとかなら面白いんだけどな。 「はあ」 幸恵は肩を落としました。 「ちょっと、そんな風に言わないでよ。シャッターが切れたってことがすごいんだからね」 由奈は少し膨れ気味です。 「ごめん、ごめん。そうだったね」 幸恵は取り繕うように両手を合わせました。 手には幸恵のスマホが挟まれています。 「しかもこれ、最新の機種じゃないとダメらしいからさ。あっ、幸恵のは最新のヤツじゃん」 由奈は幸恵のスマホを見て言いました。     
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