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昨晩、直哉は仕事から帰り鍵を開けて家の扉を開けようとした。しかし、鍵を回してみても手ごたえがない。
「ん?」
ドアノブを捻ってみると、いとも簡単に扉が開く。
空き巣か、なんて考えが頭をよぎった。玄関に入ると、慎重に周囲を見渡す。音をたてないように廊下を歩き、それぞれの部屋を調べて歩く。
クローゼットから風呂場まで調べてみたが、誰もいる気配はない。
細かい物が移動した形跡はあるものの、通帳や印鑑は無事だった。ということは、と直哉は考えを巡らせてみる。
工具箱からドライバーを取り出すと、リビングのコンセントのカバーを外した。そこから怪しい部屋のコンセントカバーを外してまわる。
それが見つかったのは、寝室だった。
ベットのすぐ近くにあるコンセントを開けてみると、明らかに形状が違う物が紛れ込んでいる。
それを取り出そうとして、ふと手を止めた。しばし考えるように眉に皺を寄せると、そのままプラプラさせておくように放置する。
「あー、風呂でも入るか」
直哉はそう言うと、脱衣所に向かった。
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