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次に直哉が寝室に来た時には、ボクサーパンツ一枚という姿だった。
部屋にクーラーは入れておらず、扉を開ければムワリと熱気が流れていく。
飛び込むようにベットに倒れこめば、しばし大の字で沈む感覚を楽しむ。視線を上げれば、先ほどの盗聴器がまだプラプラとコードでつながっていた。
それを確認すると、直哉の瞳は迷うように瞬きをする。
体をよじると、少し尻が浮き上がった形になる。
直哉は、自身が変態的な嗜好を持ち合わせてはいないことをよく知っていた。顔も知らない、誰かもわからぬ人間に監視されて興奮を覚える質ではない。
しかし、三年も肌を重ねることのなかったからか、どこか寂しいと思っていたのも事実である。
こんなバカげた行動を起こしたのも、全て人寂しいからだと自分に言い訳をした。
直哉は仰向けになると、自身の胸に手を伸ばした。手のひらで揉むように動かす。すると胸の飾りが擦れ、これから淫らなことをしようとしてるのだと自分に意識をさせた。
そうやって自分自身の気持ちを高め、盛り上げる。
頃合いを見計らって、今度は指の腹で飾りを抓む。
ギュッギュッと押しつぶしたり、強く引っ張ったりすると、小さく息を漏らした。
「はっ……」
視えない誰かに見せつけるように、乳首をこねくり回す。伏し目がちの目はときたま挑発するように盗聴器へと向けられていた。
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