第一話 黙ってやるから……

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 ジュルリと名残惜しそうにディルドを離すと、後孔にピタリと先をつけた。かと思えば、一気に突き立てる。 「あっ、う、ああぁっ!」  入ってきた衝撃に、低い呻き声を上げた。  フーッ、フーッ、と何度か息を吐くと、馴染ませる間もなく引き抜いた。そしてまた奥へと埋め込む。 「んんっ、うっ、あああぁん、あんっ」  奥に誘うたびに、声が漏れる。  聞かせるためにあえて口は塞がなかったが、それすらも興奮の材料となってしまう。 「ああぁう、ヤバい。イクッ、イクッ!」  絶頂が近付いたのを感じ、うわ言のように繰り返す。  シーツを固く握りしめ、短く息を吐いた。下を見ると、待ちきれないとばかりに尿道口がヒクヒクと痙攣している。直哉は手の動きを速めた。 「ああっ、ん、あああぁああぁ!」  ひときわ高い声を上げると、欲望が弾けて白濁を吐き出した。それが飛び散り、自身の腹やシーツを汚す。  余韻に浸る間もなく直哉ははベットから足を下ろした。そのままシャワーに向かうのかと思いきや、コンセントへと近づく。  そっと盗聴器を手に取ると、息も整わぬまま話しかける。 「明日の夜九時、ウチに来い」  それだけ言うとブチリと引きちぎる、灰皿を振り下ろして盗聴器を壊した。
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