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「はあぁぁぁ…。やっぱ間近で見ると尚やばい。可愛い。超可愛い。性格はカッコ良いのに可愛いし好き。超好き。本当好きめちゃめちゃ好き。大好き。あいして、」
「ちょちょ、ちょっと待ったぁ!そこまで!理解が追い付かないんだってばぁ!」
手で壁を作りつつ後退るも再び扉まで追い詰められてしまい、逃げ場がない。と思ったらぐいっと腰を抱き寄せられて、ほぼ身体が密着したような形になってしまった。真っ白い右手は思っていたよりも大きく、簡単に俺の頬を包み込んでしまう。
宝物に触れるように、親指でするりと優しく目元を撫でられそのままぐいっと上を向かされる。
うわ、近…っ。
あと少しで唇が触れ合う。そんな距離。
「俺のこと、きらい…?」
「いや別に嫌いではない、んだけど…!」
彼が言葉を発する度、熱い吐息がかかって擽ったい。
「じゃあ、すき?」
「何で究極の二択なんだよ!好きじゃな…って!ちょ、やめ…近い!」
さっきまで恥ずかしそうに目を逸らしたりしていた癖に、容赦なく瞳を覗き込んでくる白石は実に楽しそうだ。もうくん付けはしない。付ける気が起きない。
「ふふっ。かぁわいい…」
今日聞いた中で一番低く甘ったるい声が、密着した身体を擽った。
白石は俺の顔をがっちり固定した右手でもう一度するりと目元を撫でると、桜色に染まった頬を歪ませて一層甘やかに微笑んだ。
きらきらする。目が眩む…。
飲まれる…。彼の体温か俺の体温か、それとも両方か。触れ合っている全身が、熱い。
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