side H

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結局聞きたかったことの答えは分からないままで、もっと厄介な問題が増えただけの気がするが…まぁ今はいいだろう。実際話してみると相当に面倒臭いやつではあったが悪い奴ではなさそうだし、正直、もっと知りたいと思ってしまった。 最初の印象とは違って意外にも真っ直ぐに感情を表現してきた彼だが、あれが全てではないような…本当の底の底では、何を考えているのか掴めない。そんな気がした。 あのきらきらのことも、もっと彼のことを知っていけば、分かる日が来るのかな。 俺が更に彼に興味を持ってしまったなんて、そんなことを知られたら恐らく白石を喜ばせてもっと鬱陶しいことになりかねないので、今はまだ黙っておこう。 「あ、そう言えば白石に言い忘れてたことがあったんだった」 「なぁに?」 「あのさ、数学の時答え教えてくれて、ありがと。正直すごく助かった」 「律儀で素直…どういたしまして。結婚しよう。幸せにしかしない」 「お前にされなくても自分で幸せになるから丁重にお断りします。帰るか」 翌日から、人が変わったように俺にアタックしてくる白石とそれに対する俺の辛辣な返しのやりとりが学校中に混乱を招いたことは言うまでもない。
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