side H

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俺が答えに詰まってあたふたしていると、ふと斜め前のきらきらが不自然な動きをしだした。今までは風に揺られて舞い踊るような動きしかしなかったそれが、重力に逆らってうようよと生き物のように動いている。 何事かと目を凝らしていると、やがて文字のようなものが浮かび上がった。 何だあれ…。数字の四と、えっくす…? 「浜坂ぁ!答えられないなら後で、」 「4x!4xです先生!」 思わず目の前に浮かび上がった回答を叫んでしまった。謎の光の粒たちはふよふよと彼の頭上に浮かんでいて、はっきりと読み取れる文字を形作っている。 「…正解だ。何だ、ちゃんと聞いてたんじゃないか」 どうやら正解だったようだ。助かった。 俺がふうっと溜め息を吐いて席に座ると、きらきらの文字はさらっと解けて何事も無かったかのように再び彼の周りを漂い始めた。 何が起こったんだろう。まさか、答えを教えてくれた、とか…? まさか彼はあれを自在に操れるのか?というかあれってやっぱ俺の見間違いとかじゃなかったのか?ちゃんと文字になってた…よな。 操れるということは彼にももちろんあのきらきらが見えているということだ。そしてそれを使って答えを教えてくれたということは、俺にも見えていることが、分かって…? 駄目だ益々分からない。どういうことなんだ白石くん!これはもう、彼に直接問い詰めるしかないようだな。
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