イケメンボーイッシュガール(きらーん)

2/9
前へ
/25ページ
次へ
「うわああああ……遅刻する!」 駅から一人、スカートの制服を纏った、普通の女子高生よりやや高めな身長の少女が出てくる。ボーイッシュに髪が切りそろえられているこの少女は、駆け足ですぐ近くのバス停に行き、ちょうど来たバスに乗り込む。 「駆け込み乗車はおやめください」 「ああ、すんませんっ」 車内のアナウンスに謝る少女は、周りにもぺこぺこと頭を下げる。 30分後、終点のバス停で降りると、そこにはとてつもなく大きな城――いや、学園があった。 名を竜堂女子学園。幼稚園から大学までのエスカレーター校で、エリートで「ごきげんよう」なお嬢様学園。ついでに全寮制。そんなどこかのドラマやアニメに出てきそうな学園に、少女は門が閉じられる寸前にダッシュで駆け込む。 ギリギリセーフ。 「よかった……」 一息呼吸整えていると誰かを呼ぶ声が聞こえた。 「――っ!……さま!」 「ん?」 どうやら、声は後ろから聞こえているようだ。振り返ると 「彰姉さま!」
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加