0人が本棚に入れています
本棚に追加
「うわああああ……遅刻する!」
駅から一人、スカートの制服を纏った、普通の女子高生よりやや高めな身長の少女が出てくる。ボーイッシュに髪が切りそろえられているこの少女は、駆け足ですぐ近くのバス停に行き、ちょうど来たバスに乗り込む。
「駆け込み乗車はおやめください」
「ああ、すんませんっ」
車内のアナウンスに謝る少女は、周りにもぺこぺこと頭を下げる。
30分後、終点のバス停で降りると、そこにはとてつもなく大きな城――いや、学園があった。
名を竜堂女子学園。幼稚園から大学までのエスカレーター校で、エリートで「ごきげんよう」なお嬢様学園。ついでに全寮制。そんなどこかのドラマやアニメに出てきそうな学園に、少女は門が閉じられる寸前にダッシュで駆け込む。
ギリギリセーフ。
「よかった……」
一息呼吸整えていると誰かを呼ぶ声が聞こえた。
「――っ!……さま!」
「ん?」
どうやら、声は後ろから聞こえているようだ。振り返ると
「彰姉さま!」
最初のコメントを投稿しよう!