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「つ!か!れ!た!!!!」
弥生がスポンジを放って駄々をこねる。
船長から俺らに課せられたのは甲板の掃除だった。
きれいに掃除をすれば情報をやる……だそうだ。
長年掃除されていない甲板の床は、黒ずみ汚れていてとても一筋縄ではいかなそうだが……。
スポンジと洗剤と……。こんなんで黒ずみが全部落ちると思ったら大間違いだ、あの船長め。
「……仕方ないだろ、俺らはマジア島について知らなさすぎだ。大体ダンジョンってなんだよ……」
「マジア島にはその島全体に魔法がかかっているって話は聞いたことあるよ?もしかしたら、それが関係してるのかも」
「あーもう気になる!!早く掃除終わらせようぜ!」
「そうだね」
弥生もスポンジを握りなおし、再び掃除を始めた。13時から始めた掃除が終わるころには、日も暮れかけ、夕方になっていたが暇な俺らにはむしろ、ちょうど良かったのかもしれないとプラスに考えることにした。
俺らは掃除道具を洗って、ついでに汗をかいた体も洗おうと、一度部屋に戻った。風呂に入る時に外すか迷った指輪は、なんだか誰かに盗まれないか心配になって体と一緒に洗ってしまった。
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