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先にあがった俺は、そういえば弥生は女子並みに風呂が長いのを思い出して、少し休むことにした。
瞼は既に重く、椅子に座ったまましばしの眠りについていた。
「奏音、奏音?お風呂上がったよ」
「ん……。あぁ、ごめん寝てた。さてと、船長の所へ行こうか。マジア島のこともこの指輪のことも聞きたいし」
ふわぁと欠伸をして少し綺麗になった指輪を見る。
さっき洗ってしまったから少し濡れていて、付けていて変な気分になる。
「濡れたままだと良くなくない?
タオルで拭きなよ」
そう言って弥生が渡してくれたタオルで指輪を拭く。
改めて、なんだか神秘的な雰囲気の指輪だなと思う。高いんだろうか?受付の女の人も船長もこの指輪が特別なものだと言っていたけど……。
「この指輪がマジア島にあるダンジョンの参加券みたいなものなんだよな」
「えっ?なんか言った??」
遠くにいた弥生には届かないくらいの小さな声で独り言をつぶやく。この指輪が、この冒険の、鍵になるのかもしれないと、ただぼんやりと考えていたから出た言葉なんだろう。
「……ん?」
指輪を見つめていたら、裏側に何か書いてあるのを見つけた。なんだ?
「Magic exists.The power to you.」
……いや英語か!?わからないぞ!?
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