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「「なっ……」」
俺と弥生は二人して同時に驚いた。
彼は帰ってきたものの成果を挙げれず、恥ずかしみを受けたくないが為に家に籠もっている、俺らはそう思っていたのだから。
「何故、死んだのかは誰もわからない。
けれど、遺体からはメッセージの書かれた1枚の紙が見つかったんだって」
「そのメッセージっていうのは……?」
「もうこの島には何もない、何もない島にもう一度来ようというのなら、代償一つ持ってこい。でなければお前らの命の保証はしない……って書いてあったみたいよ」
「明らかに、マジア島の住民が書いた文章だ。この島には来るな、と言いたいみたいだけど……どうする、奏音?」
「……俺にふられてもな。ただ、とりあえず行くしかないだろう?代償というのが気になるけど……」
お互い、何か代償になりそうなものは持っていないと、知っていたからこその不安だった。
何か買っていったほうがいいのか……?
「まっ、行くって言うなら止めないけど!
ちゃんと生きて帰ってくるのよ。ここでずっと待っててあげるから。あっ、そうだ!……代償、にはなるかわからないけれど……」
そう言って、お姉さんは受付の奥に入っていった。
俺たちは首をひねって待っていると、彼女は小さな箱を持って戻ってきた。
「これね、特別な指輪なの。
まっ私はこれを特別だと、一度も思ったことはないけど、特別な指輪だと先祖代々伝わってる。私は祖先を残すつもりはないから、あなた達が持っていって。……魔法使いに会ったら、渡してあげて」
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