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食堂に入った俺と弥生は、お皿から溢れるほどの食事をよそって空いてる席に座った。
すると、そこに船長さんが
「私も一緒にいいかな?」
そう言って俺らの座るテーブルの空いてる席を指す。
船長さんのおかげで早めに料理にありつけるんだ、もちろんいいに決まってる。
「「もちろんです!」」
俺と弥生は声を揃えて船長さんを迎える。
座るともに船長さんら俺らのとってきた食事を見て笑う。
「やはり若いっていうのはいいな!
私も若い頃はこれくらいの量をぺろりと平らげたものだ!
……にしても野菜が少ないなお二人さん。肉ばかりでは栄養が足りなくなってしまうぞ?」
「あ……」
互いのお皿を見てみると、色合いは悪く、茶色いものばかりが乗っていた。
俺らはそれぞれの好き嫌いを知っているが、2人ともそんなに野菜が好きじゃない。
「船長さんはとてもバランスの良い盛り方ですね」
弥生がそう笑顔で言うと、船長さんはご機嫌になったみたいで、俺らに栄養バランスの事について語ってくれた。
……今後は気をつけてみるか。
「にしてもお二人さん。そんなひょろひょろの体で戦えるのかい?」
「……え?」
「おや?君たちはマジア島に行くんだろう?
戦う覚悟をしておかないと」
「どうして僕らがマジア島に行くと?」
「そちらの君がしてる指輪だよ。
その指輪はマジア島にあるダンジョンの参加資格がある者にだけ配られる指輪じゃないか。
羨ましいよ、私も昔はそれを探して世界を航海したものだ」
「だ、ダンジョン!?」
俺らは顔を見合わせた。
マジア島にはダンジョンなんてものがあるのか?
「おや?そんな事も知らずにマジア島に行こうとしていたのかい?……そんな生半可な態度で向かうと、あちらで死ぬことになるぞ」
「「……」」
「船長さん……!僕らにマジア島について詳しく教えてくれませんか!」
「ほう?まぁいいだろう。
……ただし、交換条件だ」
船長さんがニヤッと笑う。
悪い予感しかしないが…俺らは条件を飲むことにした。
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