2068年7月

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「あの…クローンは殺すんですか?」 「ええ。殺すと言っても、成長剤を入れ続け老衰させます。人間のクローンを作ることはまだ認められていませんし、それに、嫌でしょう?ご自分のお子様と同じ顔が生き続けているのは」 「別に嫌っていうか…」 確かに生きているならついついクローンのことを気にしてしまいそうだ。しかし、罪悪感が少しある。 「奥様はご自分の子育てに集中していればいいんですよ。クローンは人間じゃない、子育ての練習用人形と思ってください」 野崎は微笑みながら私にそう言った。人形って言われても…。 「他に疑問点はございますか?」 「なんでこっちから連絡できなくなるんだ?」 「もしあなた方が子育ての途中で死んだ場合など、そういうものが残っていると厄介でしょう?プログラム中は一応問題がない限り変えません。プログラム終了後は非通知でかけさせてもらいます」 凄い徹底している。裏切らない限りは安全だし、信用できそうだ。 「わかった。サインするよ」 夫と私は書類にサインした。すぐに野崎が回収してどこかへもっていった。
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