第3話~回想~

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それが原因だったのだろうーーー 後に、俺はいじめの対象になり、幾許もないうちに、友達と呼べる人は少なくなってしまった。 周りからは、陰口はもちろんのこと。 私物が無くなったり… 壊されたり… 陰険な、いじめを受けるようになり… 気づけば、俺は孤独な環境下に置かれていた。 繰り返し思うが、俺の態度が悪かったのが一番の原因だろう。 しかし、いかんせん、難しい年頃と言われる所以か、すぐに悔い改めることはできなかったのだ…… 次第に、それまで付き合ってくれていた、親友と呼べる人間すら、消えた… もっと早い段階で、改める事が出来ていたらと、後々、後悔することになったわけだーーー この時の俺は、異様にハードな練習に打ち込むことで、なんとか気を紛らわしていた。 自分では、人一倍の努力をしていたと自負していた。 しかし、なかなかスランプは抜けきれず… 努力をしても、なかなか今までのような思い通りの結果が出ないというもどかしさ、それに加え、周りにあたる自分への嫌悪感ーーー まるで、負の沼に沈んでいくような感覚は、今でも、生々しく心が覚えている。 そんな時に、出逢ったのが1人の女の子だったーーー ある雨の日、俺は、いつものようにスイミングスクールで練習を終え、エントランスへ向かったーーー 玄関先、ガラス越しの外に目を向けると、あたりが真っ白になる程、強い雨が降りしきっていた。 後一歩踏み出せば、雨の餌食になるといったところで、俺は、手に持っていた傘を広げようとする。 (なんだこれ、硬っ!くそ、開かない…) しかし、傘は見事に、開かないように接着剤で固定されていたようだった。 (あぁまたか…なんなんだよ。前もこんなのあったからな、つまんねぇことしやがって) バシンーーー!! と、石突を地面に数回強く叩きつけた。 そして、屋内へ戻り、近くのベンチに座る。 俺はそこで、数秒、じっと目を閉じた。 そして、気を落ち着かせるために、大きくため息を吐く。 (はぁぁ……仕方ね、もう濡れて帰ろう。どうせ風呂はいるんだし) 俺は、バケツをひっくり返したような、土砂降りの雨の中帰ることにした。 立ち上がり、エントランスを出ていこうとした時のことーーー 「ーーーあのっ!すみません!」 と背後から呼びかける声。
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