1.ほぼ∞回目+1回目

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「ちょ……ちょっと待って、いくら何でもズルいよ!!」 「すいませんね。次の人が待ってますので異議は認めません。次の方……って、あれ?何で、こんな順番になったんだろ?あ?もしもし、了解しました。そう云う事ですか。では順番通りにします」  なぜか天使はスマホを取り出して、誰かと電話し始めた。 「ともかく、5分以内に貴方の転生を開始します。貴方の来世は、それまでに教えます。一応、人間ですが、貴方にとっては地獄の方がマシかも知れません。覚悟しておいて下さい」 「待って、待って、待って、待ってよ。あたしは、殺してと願っただけで、実際に殺したのは……え?っと、誰になるの?あなたとか?」 「いや、実は私は……人間の世界の言葉で言うなら……そうですねAIみたいなモノで、罪を犯す事も、罪を背負う事も出来ないんですよ。そして、ここの仕事に、『魂』のある者、つまり罪を犯したり、罪を背負ったりする事の出来る者が関わるのは、よほどの異常事態が起きた時だけなんですよ。結局、犯人の母親の死に関わった者の中で、罪を犯したり、背負ったりする事が出来るのは貴方一人だけ」 「そ……そんなぁ!!あなた、どう見ても天使でしょ。それでもAIみたいなモノだって言うの?」 「いえ、貴方が勝手に、そう言う姿だと認識してるだけで、私は天使じゃありません。この姿も見る者によって違って見える筈です。で、貴方の来世ですが、『カエルを殺した者はカエルに生まれ変わって殺される』の原則からして……」  ふと、振り向くと、来世のあたしが、そこに居た。  あたしの心は、あいつに殺された時以上の恐怖に満たされた。
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