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何が起こった―――――
見慣れない白一面の空間で一人。
―――陽気にガ〇プラを弄る天使の姿が――――そこにはあった。
「あ…ご、ごめん。 ガ〇プラ弄ってたら、君…死んでたみたい…」
俺の存在を認識したのか。
額に大量の汗を浮かべ、目を合わせる事なくそう告げた天使。
成程。 大体理解した。
深呼吸した俺は拳を握る。
そう――――今から俺が何をするのか。 皆はもう、とっくに気付いている筈だ。
この握った拳を~~~~
「こうして!」
「あぁぁぁぁぁぁぁ!?」
先ず初めに、罪もないガ〇プラに対して鉄拳をお見舞い。
「こう!」
「ぐほぁぁぁぁぁぁ!」
最後に。 絶望感に浸る事なくして、更なる鉄拳を天使にお見舞いするのである。
ふふふ…どうだ。 参ったか!?
粉砕されたガ〇プラを見つめる天使を前に、満足感を得た俺は事の発端を思い出す事にした。
遡る事数時間前――――――――
ピピピピ! ピピピピ!
時刻は午前七時。
何時もの様に積みゲー消化を決め込んだ俺は、大音量で鳴り響く目覚まし時計の音にびくともしない。
いや、だって…今朝の四時頃まで積みゲーを消化してたわけで――――
しかし! この日俺は重大なミスを犯す事なる。
そう。
俺は忘れていた。
”あの姫”の存在を。
「五十九秒。 七時一分…強行作戦を決行する――――」
ガチャガチャガチャ!!!
ん? なんだ? 人がせっかく、気持ちよ~く眠ってるって言うのに。
騒がしい奴だ。 全く…今何時だと思って――――
薄目を開けた俺は頭上の時計を見て固まる。
時刻は午前七時一分。 それは―――絶望を告げるレクイエム。
「おらぁ!」
ガチャン!
ドタドタドタドタ!!!!
一人。 悟りを開いた俺は、瞳を開けたまま死を待つ。
あぁ…久々にやっちまったなぁ~
ガチャン!!
「はぁ…はぁ…はぁ…悠希? よーく解ってるじゃねぇか? なぁ?」
「南無三!」
「うらぁぁぁぁ!!」
「どぅはっ!!」
セーラー服に身を包んだ少女の踵が、俺の腹部を捉えた――――
あ。 パンツ見えた――――――――
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