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 突然、物陰から二人の浪人者が飛び出してきたと思ったら、ぴかりと光って、あっという間に連れの男は朱に染まった。  悲鳴を上げる暇もなく、おみよは口を塞がれ、草むらに引きずり込まれていた。  丁度、小塚原というお仕置き場のすぐ近く。辺りに人気は無い。 「まだ、餓鬼ではないか」  つまらなさそうに、一人が言う。 「女なら、なんでも構わん」  もう一人が言って、おみよの着物を手荒くむしり取り、のしかかってくる。  おみよは、歯を食いしばった。 ((おどご)など、みんな同じ、けだものだ――) 「なんだ、こんな小娘のくせに、もう生娘じゃねえのか」  性急におみよを貫いた浪人者が、馬乗りになったままで、舌打ちをした。  確かに、この苦痛と嫌悪感しか伴わぬ、けだものじみた行為を強要されるのは、初めてのことではなかった。
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