憂鬱

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 「夢希は?」  「えっ、何が?」  「なんだ、また話聞いてなかったのか?今日は予定ないのかって話・・・!」  「久しぶりに私の家に来ない?」  「そうそう、勉強会って事でさ・・・部活だって今日は顔出さなくていい日だし」  「あぁ、うん、いいよ、何にもないし」  ぼーっとしている間に話が進んでいていたらしい。何とか話を合わせるが、ホントに何だか集中できてない・・・。  「よしっ、じゃあ決まりな!終わったらまた来るから」  そういって、夏月は自分のクラスである三年二組にも戻っていった。彼女は夢希と朋美に合う為に、この三組に来ていたのだ。  今日の授業はもうない。あとは教室を掃除して軽いホームルームを終えるだけだった。 既にあちこちで掃除の準備を始めている音が聞こえてきている。もうこれで授業がない考えたら急にダルさが増してくる。 「ほら、夢希ちゃんが机下げないと私も下げられないんだから」  朋美に言われて、しぶしぶ机の上に椅子を上げ、机を片付けながら外をみる。少し風が出てきたのか窓はガタガタと音を立て、空には黒い雲がかかり始めている。  「もう三年か・・・」                                                
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