1人が本棚に入れています
本棚に追加
ユウヤ:ナユタ氏なのですか
ナユタ:いかにも
ユウヤ:こ、こんな奇跡があり得るのですね
ナユタ:いやあ、私も驚きましたぞ
ナユタ:さあ、また共に最強を目指しましょうぞ
ユウヤ:あったりめーだ
その時から裕也は何かに取り憑かれたようにゲームに没頭した、カーテンの外は明るくなり、小鳥のさえずりが聞こえだす。
「お兄ちゃん、早くしないと遅刻するよー」
妹の声で一旦ゲームから離れる、慌てた素振りで朝食済ませ、服を着替えた所で、母親は先にパートへ出た、続いて妹が出る、父親は裕也が起きた時点でもう出勤していた為、家には裕也のみが、残った。
備え付けの電話機の受話器を握った。
『はい、陵波高校です』
「あ、一年二組の高梨と言いますが......」
『少々お待ちください』
電子音楽の音を聞いて数秒待つと、いきなり音楽が途切れて、担任の声が聞こえた。
『どうした? 高梨』
「あ、ちょっと今日、祖父が急死しまして、学校休んでいいですか?」
『おお、それは大丈夫だ、休め』
「はい」
担任を騙す事などチョロいものだ、これで心置きなくゲームができると、部屋へ帰ると夜までゲームを続けた。もちろん家族の誰にもバレてはいない。
そして翌日、また同じように裕也が最後まで家に残った。前日の事で味をしめた裕也は、再度学校へ電話をかける――
『はい、陵波高校です』
「......あ、あの、い、妹がさっき車で跳ねられて、即死......らしいので......」
若干の演技を使えば、違和感なく受け入れてくれる。それから裕也は繰り返し家族、親戚を殺し続けた。
高梨家に裕也以外もう誰も殺す者がいなくなった時、【I.N.S】のキャラクターは、以前の強さを取り戻していた。
ナユタ:さあ、リベンジと行きますか。
ユウヤ:もう、誰にも邪魔はさせん!
quest start の文字を見た所で、画面が止まった。
――回線が繋がりません――
最初のコメントを投稿しよう!