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それは、知らない間に
「高梨裕也――」
担任の声は虚しくも教室内に響いた。
「高梨今日も休みかー」
誰かの反応を確認したいのか、独り言にしてはボリュームのある声を出したが、教室の生徒は誰一人として聞いている素振りを見せなかった。
何の反応が無かった事も気にせずに、担任は続いて出席をとり始める。
市内の高校に通う高梨裕也は、頻繁に学校を休んでいた。特に身体が弱いだとかは無く、どちらかといえば健康的な体質だ。そんな裕也が休む原因は、家庭内にあった――
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