視線の先のアイコンタクト

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キュリオ王都の農家に生まれて5つの年を過ごした私、リングオ・ウッドランドは気になるお姉さんが居る。 恋だとか好きだとか、そういうのはまだよく解らないけど、それでない事は間違いなく解っている。 理由は単純なもので、相手は私と同じ女性だし・・・これが恋ならきっと私は変なんだ。 そのお姉さんはいつ見てもとてもフワフワとしていて、視界に入ると必ず目で追ってしまう。 人通りが多くてもお姉さんはとても目立つし、どんなに混雑していても絶対に目に入る。 そして、私がボーッと見てしまっていると、こちらを見て微笑んでくれたり、ウインクしたりと可愛らしい一面を見せてくれる。 用もないのに人をジッと見るなんて失礼な事だと、ハッとなって顔をキュッと引き締めて頭をブンブンと振る。 両親にお姉さんの話をすると、「そういうお年頃なのねー」とか、「今度思い切って話しかけてみればいいじゃないか」と微笑んでくれるだけ。 私的には、それはちょっと難しいと思うんだよね・・・人見知りっていうか、まともに友達も居ない私じゃぁ・・・。 そんな事を考えながら窓から外を見ていると、今日もまたお姉さんと目が合った。 フッと下を向いて、とても悲しそうな目をしている・・・泣いているのかもしれない。 私の方に顔を向け直して、とても辛そうな笑顔で、そのまま通り過ぎてしまった。 とても心が痛くなった。 私には声をかける勇気が無い。 私には、あの人を助ける事ができない。 私には・・・何もできない・・・なんて辛いんだろう・・・。 悲しい顔をしないで? あなたが悲しい顔をする日は、憑かれているあの人が死んでしまう日だから・・・。 翌日もまた、お姉さんが私に微笑んで通り過ぎて行く。
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