サキガミ事件

3/3
7人が本棚に入れています
本棚に追加
/23ページ
「で、で?どうなったんスか?その……被害者達は」 「助けられなかった……誰一人な……」 「そ、そんな…………」 その時、まだ生きていたと思われる少女が4人居た。 しかし、ある少女は風呂に沈められ、少量ずつ水を流しこまれて時間をかけて水死。 他もガスや煙、時限装置による放火など、予めヤツが仕組んでおいた方法で自動的に殺されていった。 「俺は……俺達は……誰も救えなかった。誰一人その恐怖から解放してやることはできなかった」 「……………」 角倉はまた遠野を見ながら、かつての光景を思い出していた。 ”や、やりますよ……角倉さん……” ”遠野くん、いいのか?コイツの記憶なんか読んだら、お前さんにどんな影響があるかわからんのだぞ?” ”で、で、でも……じゃないと、他の女の子たちが死んでしまうのでしょう?もう誰も……死なせたくないんですよ!” そう叫ぶと、遠野は、自殺した犯人……サキガミの記憶にダイブした。 「狂った殺人鬼の記憶を追体験する……それがどんなことなのか……想像するだけでも恐ろしい。それを彼は進んでやってのけたんだ。だから、俺は彼のことを信じる」 「わ、わかりました……俺もコイツを信じます」 「うむ……」
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!