7人が本棚に入れています
本棚に追加
/23ページ
「で、で?どうなったんスか?その……被害者達は」
「助けられなかった……誰一人な……」
「そ、そんな…………」
その時、まだ生きていたと思われる少女が4人居た。
しかし、ある少女は風呂に沈められ、少量ずつ水を流しこまれて時間をかけて水死。
他もガスや煙、時限装置による放火など、予めヤツが仕組んでおいた方法で自動的に殺されていった。
「俺は……俺達は……誰も救えなかった。誰一人その恐怖から解放してやることはできなかった」
「……………」
角倉はまた遠野を見ながら、かつての光景を思い出していた。
”や、やりますよ……角倉さん……”
”遠野くん、いいのか?コイツの記憶なんか読んだら、お前さんにどんな影響があるかわからんのだぞ?”
”で、で、でも……じゃないと、他の女の子たちが死んでしまうのでしょう?もう誰も……死なせたくないんですよ!”
そう叫ぶと、遠野は、自殺した犯人……サキガミの記憶にダイブした。
「狂った殺人鬼の記憶を追体験する……それがどんなことなのか……想像するだけでも恐ろしい。それを彼は進んでやってのけたんだ。だから、俺は彼のことを信じる」
「わ、わかりました……俺もコイツを信じます」
「うむ……」
最初のコメントを投稿しよう!