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「な、なんで?なんでなの?ど、どうして???どうしてなのーーーっ」
絶望、それは突然やってくる。前触れなどなく突然にだ。千春にとってその報せはまさに”絶望”そのものだった。
人生で親友と呼ばれる人間と出会うことは稀だという。しかし、千春にとって翔子は親友と呼べる存在だった。
その翔子が……
死んだ。
「おばさん!嘘よね?翔ちゃんが自殺だなんて!」
しかも『自殺』だと聞いて千春には理解できなかった。自分を必死に励ましてくれた翔子が自殺なんてするはずがない。だから、翔子の母親に詰め寄って、千春以上にショックを受けている母親を困らせたりした。
”そうだ、翔ちゃんの彼氏に聞いてみよう。私の知らないこと、気づいてあげられなかった秘密が翔ちゃんにあったのかもしれない……”
千春の悲しみの深さは『疑惑の解決』へと向けられた。疑問を解決することで悲しみから逃れようとでもするように。
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