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バタンッと閉められた玄関を呆然と見つめながら、開けっ放しにされたリビングのドアから中に入り、同じく呆然とした表情の姉に問う。
「何。竜くんと喧嘩でもしたの？ 珍しい」
「ちが、喧嘩なんてっ」
「でも竜くん、辛そうな顔してたけど？」
「え？」
ようやくお互い顔を合わせ、どうしてこうなったのかを順を追って話していくさくら。そして最後まで聞いたところで樹はただただ大きな溜息を零した。
（馬鹿なの？ この二人。もう、面倒臭いなあ）
「あのさ、姉ちゃん。まず一つ言わせてもらうけど。竜くんがあのアニメあんまり好きじゃないって知ってた？」
「えっ！？ で、でも竜一にも見せたら前、面白いって言ってたよ！」
「それはストーリーの話でしょ。そういうことじゃなくて。竜くんが姉ちゃんから自分そっくりな男の話ばかり聞かされるのが不快なの。この意味分かる？」
「え。それって……」
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