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「姉ちゃんも、何でそんなにあのアニメが好きなのか。“本当の理由”をちゃんと話した方がいいと思うよ」
「ううっ。でも、それは、つまり」
「要するに――覚悟しろ、ってこと」
呆れた表情で言われる言葉の数々に、さくらは赤くなったり青くなったり、顔色が安定しない。
言いたいことだけ言ってさっさと自分の部屋に行ってしまった弟の言葉を何度も何度も頭の中で繰り返して、さくらはスマホを取り出しては先程別れた竜一にメールを送る。
『竜一、明日、お昼休みにちょっと話せないかな?』
返事はわりとすぐに来た。
『ん。別にいいよ。あと、さっきはごめん』
『気にしてないよ! じゃあ、明日、屋上で』
『分かった』
やり取りを終えて、さくらは小さく溜息を一つ。その心音はドクンッ、ドクンッと騒がしく音を立てている。
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