あいつを好きなお前、好きを偽る私

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「……で、どうだったんだ? 今日のアニメは」 「よくぞ訊いてくれました!」 (訊いてほしそうな目でじっと見てきたくせによく言う)  竜一がアニメの話を切り出すと、それはもう嬉しそうに、目をキラッキラさせながら話し始めるさくら。 「今日は夏生が雨の中で捨てられた小さい犬を助ける回だったんだけど」 「不良キャラによくあるやつみたいだな」 「でも夏生が犬を抱き上げようとしても、夏生のつけてる仮面のせいで犬が怖がっちゃって」 「ほんとシュールだな」 「そしたら夏生と同じクラスの女の子が代わりに犬を抱き上げてくれて、近寄りがたい印象だった夏生くんだけど、本当は優しい人なんだね、って女の子が笑いかけてくれて。ちょっと恋愛フラグが立つ話だった」
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